患者アドボカシーカレッジとは
患者さんの立場に立って、政策や制度面から問題解決に取り組む活動を「患者アドボカシー活動」と言います。そしてその活動に取り組む人々を私たちは「患者アドボケート」と呼んでいます。「患者アドボカシーカレッジ」は、患者アドボケートに向けた学習プログラムです。(目次は下記をご覧ください)これまで日本医療政策機構 市民医療協議会プロジェクトが患者アドボケートの皆さんから学んだ様々な知恵、各界の有識者から学んだ知識などを、初心者向けにまとめました。当事者である患者さん・ご家族・ご遺族・支援者のみならず、当事者と協働して問題解決に臨む政治家、行政担当者、医療提供者、企業関係者の皆さんにも活用いただきたいプログラムです。
初めての方へ
これまで患者アドボカシー活動は、HIV対策、がん対策など、さまざまな分野で実績を上げてきました。その内容は、法律の制定、検討会の設置、対策の実施、予算の増加など、多岐にわたっています。国民やメディアの期待も高まっていますし、政治家や行政の幹部からも待望論が生まれています。それは、これまで活躍してきたアドボケートたちの当事者意識を持った責任ある行動、関係者と議論できるだけの政策知識、患者目線での政策提言などが評価されているからです。
そのアドボケートからの学びをテーマごとにまとめたものが、「患者アドボカシーカレッジ」プログラムです。このプログラムが目指すところは、受講された皆さんが、医療政策議論に参画し、患者・地域・医療現場のための政策を作り、実行し、その成果を実感できるようになることです。
最初は誰もが素人です。ブックレットを読んで、少しずつ学習してみてください。
目次
第1部 アドボカシー
序章 はじめに
第1章 アドボカシー活動のときに
- 1-0 戦略プラン策定
- 1-1 ステップ1:社会課題の抽出
- 1-2 ステップ2:情報の収集と分析
- 1-3 ステップ3:目標の設定
- 1-4 ステップ4:対象の特定
- 1-5 ステップ5:必要資源の確保
- 1-6 ステップ6:連携相手の特定
- 1-7 ステップ7:戦術の設定
- 1-8 ステップ8:成果の自己評価
第2章 異なる立場と協働するときに
第3章 政策立案と評価のときに
第4章 団体運営のときに
- 4-1 ミッション
- 4-2 事業計画書
- 4-3 ファンドレイジング(資金調達)
[寄稿] 日本ファンドレイジング協会 代表理事 鵜尾 雅隆 - 4-4 利益相反(COI)管理
- 4-5 広報
- 4-6 文章力
- 4-7 交渉力
- 4-8 ファシリテーション
[寄稿] 日本ファシリテーション協会 フェロー 堀 公俊 - 4-9 プレゼンテーション
- 4-10 アンケート調査
[寄稿] 東京大学公共政策大学院 医療政策教育・研究ユニット 特任研究員 吉田 真季
第2部 政策知識
第5章 政策決定プロセスに参画するために
- 5-1 政策決定プロセス
- 5-2 法令
- 5-3 補助金と診療報酬
- 5-4 情報による政策誘導
- 5-5 審議会と報告書
- 5-6 財政問題
- 5-7 社会保障制度改革国民会議
- 5-8 中央社会保険医療協議会
- 5-9 地域医療計画
第6章 地域医療計画に提案するために
第7章 疾病・事業の対策を改善するために
- 7-1 がん
- 7-2 脳卒中
[寄稿] 全国脳卒中者友の会連合会 理事長 石川 敏一 - 7-3 急性心筋梗塞
[寄稿] 横浜市立みなと赤十字病院 心臓血管外科 部長 田渕 典之 - 7-4 糖尿病
[寄稿] 患者の声協議会 副代表世話人 伊藤 雅治 - 7-5 精神疾患
[寄稿] 神奈川県厚木市精神障害者家族会 (フレッシュ厚木) 理事 上森 得男 - 7-6 難病
- 7-7 在宅ケア
[寄稿] 特定非営利活動法人 千葉・在宅ケア市民ネットワーク ピュア 代表 藤田 敦子
第8章リサーチ(医学研究)アドボケートになるために
- 8-1 医薬品が開発されて患者さんに届くまで
[寄稿] 日本製薬工業協会 患者団体連携推進委員会 - 8-2 統計の知識
- 8-3 疫学
[寄稿] 大阪大学大学院 医学系研究科 環境医学講座 教授 祖父江 友孝 - 8-4 臨床研究・臨床試験・治験
[寄稿] 国立がん研究センター 企画戦略局長 同 中央病院 乳腺・腫瘍内科 藤原 康弘 - 8-5 医学研究における倫理指針
[寄稿] 国立がん研究センター 早期・探索臨床研究センター 臨床試験支援室 佐藤 暁洋 - 8-6 根拠に基づく医療(EBM)
[寄稿] 日経BP社 日経メディカル 副編集長 北澤 京子 - 8-7 ドラッグラグ
- 8-8 デバイスラグ
[寄稿] 東京大学公共政策大学院 特任教授 大西 昭郎
※こちらは2013年に発表した資料で、所属・肩書は当時のものです。
※お手元で受講記録を取るためのメモとしてお使いください。(PDF)