【記事公開】NCDアライアンス・ジャパン:COVID-19がもたらす NCDsと共に生きる人々への影響について

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2019年に新しく発見されたコロナウイルスによって引き起こされる感染症です。COVID-19の感染が世界各地で拡大する中、がん・糖尿病・脳卒中含む循環器疾患・慢性的な呼吸器疾患・メンタルヘルスをはじめとする非感染性疾患(NCDs: Non-Communicable Diseases)におけるCOVID-19の影響が指摘されています。

  1. パンデミックが発生している複数の国からのデータを見ても、NCDsと共に生きる人々のうち、高齢者がCOVID-19に対してより脆弱であることを明確に示しています。ある調査によると、COVID-19による全体の死亡率は0.66%と推測されており、80歳以上で7.8%と急激に上昇することが報告されています。(※1)
  2.  COVID-19に感染し入院した患者の基礎疾患では、糖尿病、循環器疾患、慢性的な呼吸器疾患が多くみられています。また、喫煙などNCDsに共通する危険因子が、COVID-19の重症化要因の一つであるとも指摘されています。喫煙者は、COVID-19に感染するとより深刻な症状に直面する可能性が高く、入院や早期死亡につながると世界保健機関(WHO: World Health Organization)は警告しています。
  3. 外出自粛要請等により日常生活が制限されることで、NCDsとともに生きる人々は新型コロナウイルスへの感染を恐れて医療機関への受診を控えるなど、疾患の症状のコントロールや服薬に課題を抱え、健常者に比べストレスを抱えやすい傾向にあります。
  4. NCDsには貧困や教育歴など多くの社会的な決定要因が関与しています。これらの健康における社会的決定要因はCOVID-19を封じ込める上での障害にもなっており、社会全体で取り組む意識の醸成とその基盤づくりが必要とされています。

日本医療政策機構が運営する市民社会のための協働プラットフォームであるNCDアライアンス・ジャパンは、NCDsと共に生きる人々、高齢者、取り残されるリスクのある人々が有する権利に対して声を上げ、NCDsの視点からCOVID-19感染予防と対策に有用な情報の発信と集約に努めます。

WHO: NCDとCOVID-19に関する情報メモ(2020年3月23日発行)
https://www.who.int/who-documents-detail/covid-19-and-ncds

■ NCDアライアンス・ジャパンのウェブサイトはこちら
https://ncdjapan.org/

(※1)Verity R, Okell LC, Dorigatti I, et al. Estimates of the severity of coronavirus disease 2019: a model-based analysis. Lancet Infect Dis 2020 Mar 30 https://www.thelancet.com/journals/laninf/article/PIIS1473-3099(20)30243-7/fulltext

gotoTop