INTERVIEW

清野裕先生

日本糖尿病協会理事長

NCD対策のための疾病横断型の活動は、世界でもまだ十分とはいません。循環器疾患、がん、慢性呼吸器疾患、糖尿病に関わる団体が共通の目的に向かって活動することにより、4疾病の予防という大きな成果につながる可能性があります。国内ステークホルダーによる疾病横断型の慢性疾患対策を議論する場が有益な役割を果たすでしょう。
NCDをめぐる世界の動きと課題
2006年12月に国連決議でNCD関連疾患では初めてとなる、糖尿病撲滅のための決議が行われました。疾患としてはエイズに続いて2番目となります。その後、国連や空を表す「ブルー」と、団結を表す「輪」を使用してブルーサークルが糖尿病撲滅のためのシンボルマークとなり、キャンペーンが全世界で推進されるようになりました。この戦略が功を奏し、がん、循環器疾患、呼吸器疾患も含めた4疾患をベースにした国際組織が作られました。
現在は、糖尿病と循環器疾患2つの団体間で治療のガイドラインをすり合わせる等の活動はあるものの、4疾病横断的な活動に関しては世界的にもまだまだ十分とはいえません
国際糖尿病連合各国の組織に関しても、日本および西太平洋地域では各国の代表者に医師、研究者が多い一方で、その他の国では他職種が主導的役割を果たしているなど、基盤となる組織も様々で、同一歩調をとることもなかなか困難です。
疾病横断型のプラットフォームがもつ可能性
4疾病に関わる団体が目的をもって活動すれば、4疾病の予防において、大きな成果が出る可能性があります。ただし、糖尿病、循環器疾患、がんの中でも乳がん、大腸がん、呼吸器では睡眠時無呼吸症候群に関しては、生活習慣や喫煙といったものが共通の要因を持っている一方、直接的に共通した要因が無いものもあるため、4疾病の共通因子と違いの双方について、詳細な検討が必要です。

国内ステークホルダーによる疾病横断型の慢性疾患対策を議論する場ができると良いです。関連分野のいろいろな方に関心をもってもらい、NCDについて国内の多くの人に知っていただくことが必要です。
また、市民に情報を伝達する場合に、4疾病に共通な要素を明らかにすることにより、「このような対策を行えば、これだけ4疾病のリスクが減る」といった情報の発信が重要です。私自身も国際糖尿病連合西太平洋地区のチェアマンとして、国内外でのNCD対策を推進するなど、協力していきたいです。疾病横断型プラットフォームが4疾病の予防につながれば、大きなインパクトとなるでしょう。

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